100年をこえる歴史ある大会を守りたい!!〜その2・早慶戦に向かう選手の思い〜

隅田川の春を彩る早慶レガッタ。100年以上の歴史を誇る大会が去年は新型コロナウィルスの影響で中止となってしまいました。それを乗り越えて迎える第90回早慶レガッタを目前に選手はどのように過ごしているのでしょうか。
今回は
◆早稲田大学
 漕艇部男子
  ・船木主将
  ・濱野選手
 漕艇部女子
  ・宇野主将
  ・高田選手

◆慶應義塾大学
 端艇部男子
  ・朝日主将
  ・石田選手
 端艇部女子
  ・兼子主将
  ・伊地知選手

の8名にお話を伺いました。

コロナによって中断された早慶レガッタの歴史

–本日はよろしくお願いします。去年、コロナの影響で早慶戦が中止となった時はどんなお気持ちでしたか。

早稲田大学船木男子主将(以下早稲田・船木主将):早慶戦中止を聞いた時には僕自身も悔しい気持ちでしたが当時4年生の先輩たちはもっと悔しかったと思います。
今年の開催に向けていろんな人が尽力しているんですが、より一層感謝の気持ちをもって大会に望まないといけないなと感じています。

慶應義塾大学朝日男子主将(以下慶應・朝日主将):コロナ前の大会で早稲田に1秒差くらいで負けたままだったので、中止を聞いた時は絶望でした。
やる気がなくなって引退していった選手もいました。そういう選手のことを考えるといかに早慶戦が自分たちに大きな存在なのかを感じます。

早稲田大学髙田選手(以下早稲田・高田選手):社会の状況から、開催できない可能性を予測していても、中止は悔しい思いでした。
緊急事態宣言の後、6月に活動が再開した時に、インカレと全日本があったので、そこに向けてチームみんなで気持ちを立て直したんです。

離れ離れの期間を支え続けたチームの絆

–コロナ前と変わらない通常通りの練習ができているということですが、第89回早慶レガッタ中止を経てどのようにモチベーションの維持に努めましたか。

慶應義塾大学兼子女子主将(以下慶應・兼子主将):何度もチームで話し合いを重ね、練習に制限がある期間はリモートでトレーニングを継続しました。一人では難しいことを乗り越えられたのは、仲間の存在があったからです。

慶應義塾大学石田選手(以下慶應・石田選手):主務やOB、理事会の皆さんが絶対今年はやると力強く明言してくれたので、それを信じて練習に取り組みました。
周りの頑張りが選手みんなのモチベーションになっていたのかもしれません。

早慶戦の再開に向けた両校の熱い生活

–食事で気を付けていることはありますか。

慶應・兼子主将:早慶戦に向けて練習内容がどんどんハードになると何もしなくても体重が減っていくので、しっかり食べることを意識しています。
バナナやヨーグルト、牛乳、卵、そしてお米を意識してたくさん食べます。
一般の女子大生の2倍は食べるかもしれません。

早稲田大学宇野女子主将(以下早稲田・宇野主将):早稲田大学ボート部女子は食べるのが大好きなので、自らどんどん食べます。
メガサイズの牛丼や特盛りのうどんなども食べてしまいます。
早稲田のボート部女子はみんな明るく、ポジティブ。
きついトレーニングを送っている分、ちょっとしたことで幸せを感じられるので、食べることも大好きです。

早慶レガッタはここに注目!

-どんなところが注目ポイントですか。

慶應・朝日男子主将石田選手:エイトはボートの中で一番の花形で、人力で動く水上の最速スポーツなんです。
スピードが速く迫力があるのが一番の魅力なのかなと思います。
実際には体を動かさないけどチームの要となるコックスにも注目してください。

早稲田・船木主将:コックスがここで行くぞとコールを出すと漕手8人は息を合わせて力一杯漕ぐ。
特にゴールが近づいた時のラストスパートは見所です。
レート(漕ぐスピード)が揃ってどんどん高まり、漕ぐ回転数が速くなっていくのは大迫力です。

慶應・兼子主将:男子と同じ競技内容なので、女子も男子と同じ戦いをしているという力強さに注目してください。
女子も男子と同じハードなトレーニングを毎日しています。
慶應ボート部女子は全員大学から始めたんですが、大学からでもここまで出来るという姿をぜひ見てもらいたいです。

早稲田・宇野主将髙田選手:女子のボートはテクニックが見所です。
うちは160cm台が多いのですが、ボートは大きい人や速い人が乗っているからと言って速いわけではありません。一糸乱れぬチームワークに注目してください。

コロナによって気付かされた大会が開催できる感謝

–最後に第90回早慶レガッタに向けた意気込みを教えてください。

早稲田・船木主将:迫力ある戦いで、先の見えない世の中で少しでも明るい気持ちになってもらえれば。
大会が開催できるのは消して当たり前じゃなかったと実感しました。
こんな状況の中で、なぜ大会をやるんだという声もあるかもしれないですけど、大会に携わっているみなさんが少しでも元気になってくれれば嬉しいです。
大会に関わってくださっているみなさんが早慶レガッタやって良かったと思えるようなレースをします。ぜひ応援、サポートをよろしくお願いします。

早稲田・濵野選手:コロナのこういう状況で選手ができるのは一生懸命漕ぐことだけなんです。
僕たちが一生懸命漕いでいる姿を見せることで今まで支えてくれた保護者や周りの人たちに大会が開催できていることを伝えたいです。
大学から初めた未経験者でもここまで活躍できるという姿が親やいろんな人への恩返しになるし、自分としてもボート部に入った意味がある。
応援してくださると嬉しいなと思います。

慶應・石田選手:早慶レガッタを初めて見た時、隅田川を埋め尽くす大声援の中で、早稲田と慶應だけが戦うという空間すごく熱くて、胸に来るものがあったというのが入部した理由でした。
あの時の僕のように、何か感じてもらえるような熱い姿を見せられれば、それが今僕たちにできる一番いいことなのかなと思っています。
早慶戦という注目される大会で少しでもボートの良さを伝えたい。そのためにも早慶戦で良いレースを見せていきます。

慶應・朝日主将:僕たちの漕ぎで、保護者や出場できなかったチームメイト、応援してくれるたくさんの人に、ひとときでも先が見えない不安が忘れ去ることができれば。
勇気を与えるまではいかなくても早慶戦に意味があると考えています。
慶應は早稲田に三連敗しているのでそろそろ勝たないサポートしてくれている親やOBに申し訳ない。今年こそは何が何でも意地があるレースをしていきます。

慶應・伊地知選手:人が本気でやっている姿を間近で観られるのはスポーツくらい。仕事でどんなに頑張って居ても、人の本気ってわかりにくいものです。
スポーツは目標に向けて何年もかけて本気でやってきたことが大会で発揮されます。やっている側の本気の姿をぜひ見てほしいです。

慶應・兼子主将:自分たちのわがままで試合をさせてもらえる事に感謝をしています。
大会が開催できることは普通ではない上で、挑戦するということを考えなくてはなりません。
コロナでスポーツが不要不急ではないと言われることもあるけど、それでもスポーツの価値は変わらない。
見る側の人たちも徐々にまたスポーツを受け入れて欲しいと思います。

早稲田・宇野主将:去年早慶戦が中止になった分、今年開催できることに感謝の気持ちを感じます。
家族や、監督、スタッフ、隅田川沿いの皆さんのご理解とご協力に感謝して練習していきます。

早稲田・髙田選手:早稲田にはOne WASEDAという言葉があります。
それは選手やマネージャー、トレーナーで協力しながらクルーを作っていくという意味なんですが、それだけでなく監督やコーチ、様々な人の応援やご協力があって一つのクルーを作っています。
早慶レガッタには歴史があり他の大会よりも注目や意気込みが違う。
そこに早稲田の勝利を刻むことが恩返しにつながっていくのかなと思います。
早慶レガッタでたくさんの人にボート競技を知ってもらえればと思います。

早稲田大学漕艇部、慶應大学端艇部の選手のみなさんありがとうございました。次回は大会のレポートをお届けします。お楽しみに!

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