慢性虚血性心不全患者に対するVCAM-1陽性心臓線維芽細胞(VCF1)の医師主導第I相試験の開始について

株式会社メトセラ
株式会社メトセラ(以下、「メトセラ」)および日本ライフライン株式会社(以下、「JLL」)は、筑波大学附属病院と共同で研究を進めてきた「MTC001」について、筑波大学附属病院において慢性虚血性心不全患者に対する第I相医師主導治験(以下、「本治験」)が2021年6月より開始されたことをお知らせいたします。メトセラは本治験において、JLLと協力して被験製品を提供いたします。 本治験の実施に向けて、メトセラにおいてはVCF1の細胞供給体制確立を、JLLにおいては専用投与カテーテルの供給体制確立を、筑波大学附属病院においては非臨床試験の実施を通じた投与手技の確立を、それぞれの強みを活かしながら推進して参りました。本治験は、これまでの共同での取組みを結集させた成果として実施されるものです。


本治験の概要については、臨床研究実施計画・研究概要公開システム (jRCT)をご参照ください:https://jrct.niph.go.jp/latest-detail/jRCT2033210078





MTC001の概要
本治験の被験製品である「MTC001」は、メトセラが開発しグローバルに権利を保有する自家VCAM-1陽性心臓線維芽細胞(以下「VCF1」)と、JLLが新たに開発した専用投与カテーテルによって構成される製品で、メトセラが被験製品の提供を行います。
MTC001による治療では、患者自身の心臓から採取したVCF1を利用することで、副作用が危惧される免疫抑制剤を使用する必要がありません。また、カテーテルによる経皮的な細胞投与により、短い入院期間での治療が実現し得ることで、患者の体力的負担の軽減が期待されます。
線維芽細胞は増殖特性に優れ、安定的に製造することが可能という特長を有します。
また、JLLが製造を担う専用投与カテーテルは、心腔内の電位を測定する電極カテーテルと細胞の注入針によって構成され、3Dマッピングシステムと接続して利用されます。これにより、心不全による病変部位を正確に把握することができるとともに、VCF1専用に開発された高機能な注入針とカテーテルの優れた操作性によって、患部に効率的かつ効果的に細胞を投与することが可能となりました。
VCF1は非臨床試験において、リンパ管新生や心筋細胞の増殖を促進することでダメージを受けた心組織の回復を促すことを明らかにしております(文献1、文献2)。専用投与カテーテルによりVCF1を効率的に投与することで、より心機能を回復する効果が期待されます。


今後の事業展開
メトセラとJLLは2020年6月に業務提携契約を締結しており、共同研究の実施を通じて、MTC001の事業化に向けて取り組んで参りました。筑波大学附属病院の実施する本治験への被験製品の提供を通じ、MTC001の開発を進めるとともに、製品上市の早期実現に向けた準備も着実に推進して参ります。

本治験は、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)の再生医療実用化研究事業(研究課題名:自家心臓線維芽細胞による心不全患者に対する再生医療のfirst-in-human臨床試験)の支援を受け、筑波大学附属病院で実施します。


参考文献


Iwamiya, T., Matsuura, K., Masuda, S., Shimizu, T., & Okano, T. (2016). Cardiac fibroblast-derived VCAM-1 enhances cardiomyocyte proliferation for fabrication of bioengineered cardiac tissue. Regenerative therapy, 4, 92-102.
Iwamiya, T., Segard, B. D., Matsuoka, Y., & Imamura, T. (2020). Human cardiac fibroblasts expressing VCAM1 improve heart function in postinfarct heart failure rat models by stimulating lymphangiogenesis. PloS one, 15(9), e0237810.

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