政治・社会

プレミアムフライデーの試金石?「ゆう活」の結果は…

2017.01.05R25

毎月末の金曜日に消費活動を喚起する「プレミアムフライデー」が、2月24日から実施される。従業員に通常より早い時間の帰宅を促す取り組みも進めるということだが、終業時刻の前倒しができるのか、本当に消費活動につながるのかなどの疑問の声も散見される。

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こうした終業時刻を早める取り組みとして、実は2015年から政府の働き方改革の一環で「夏の生活スタイル変革(ゆう活)」がひっそりと行われていたのをご存じだろうか。朝早くから働き始め、仕事を早めに終わらせるという試みで60以上の企業が実施。勤務先が取り入れているという人もいるかもしれない。

プレミアムフライデーと「ゆう活」。取り組みとしては近いため、プレミアムフライデーの実施を決めた背景には、「ゆう活」が少なからず影響しているのでは? そこで、過去2年間の「ゆう活」で終業後にどのような活動をしている人が多かったのかを内閣官房副長官補室に問い合わせた。

…が、「ゆう活」は実施方法や状況が企業ごとに異なるため、勤務時間終了後の活動に関する実施企業全体でのデータは取っていないとのこと。そこで、サマータイム制などの方法で定時を繰り上げる取り組みを実践した、ユニ・チャームと西武鉄道の2社に取材した。

●仕事の質とスピードが向上!? ユニ・チャームの事例

ユニ・チャームでは、2011年からサマータイムを導入し、通年で始業と定時を以前より1時間早めている。同社の企画本部広報室によると、終業後は「キャリアプランのための英語学習」をしたり、「家族との時間に活用」したりしている社員が多いという。企業としては「残業時間削減」や「業務効率のアップ」「“限られた時間で成果を出す働き方”への社員の意識の高まり」を効果として実感しているということだ。

社員からは、

「アウトプット量とスピードが共に向上した」
「早く帰れる時間を使って、自己啓発の語学学習を始めた」
「家族とコミュニケーションする時間が増え、生活が豊かになった」

などの声があったという。

●24時間交替制への対応は? 西武鉄道の事例

西武鉄道は、東日本大震災をきっかけにサマータイム制を導入し、6〜9月の期間に始業時刻と終業時刻を30分早めている。同社広報部によると、「当初は、朝が早くて寝不足になったという意見もありましたが、ワークライフバランスを推進する取り組みとして概ね好意的に受け止められております」とのことだ。

社員からの声には、家族との時間が増えたことや業務の効率化以外に、

「勤務終了後に趣味のテニスを始めました。同じ職場では、ヨガやスポーツジムに通う人も増えているようです」
「勤務終了後に観劇ができるようになりました」

など、スポーツや文化活動をしている人も見られたそうだ。

ただし、運輸業である同社は、駅係員や電車運転士・車掌などの現業部門の一部では、24時間の交替制勤務のため、サマータイム制は導入していないとのこと。運輸業やサービス業の従業員への配慮は、今後、プレミアムフライデーを推進する企業にとっては課題となるのかもしれない。

ちなみに、国家公務員の2016年における「ゆう活」の取り組み結果は公表されているので紹介すると、定時退庁した日の勤務時間終了後には、「家族との団らん」(32.7%)をしていた人が最も多く、「買い物」(28.3%)、「家事」(25.3%)、「職場関係者や友人との飲食等」(23.4%)が後に続いていた。

「ゆう活」では、終業後にスポーツや文化活動、買い物などの消費活動をしている人もいた一方、終了後よりも業務の効率化にメリットを感じている人も見られた。プレミアムフライデーは、「個人が幸せや楽しさを感じられる体験」とそのための時間の創出が目的となっている。退勤時間を早めることが、消費活動にどう影響するのか、見守りたいところだ。

(飯田樹)

(R25編集部)
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※当記事は2017年01月04日に掲載されたものであり、掲載内容はその時点の情報です。時間の経過と共に情報が変化していることもあります。
※コラムの内容は、R25から一部 抜粋したものです
※一部のコラムを除き、R25では図・表・写付きのコラムを掲載しております

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