ビジネス・経済

中小企業の長時間労働問題、75%は「対策なし」か

2016.12.24R25

日本経済新聞が国内主要企業の社長(会長、頭取などを含む)を対象に行ったアンケート調査によれば、76.7%が長時間労働の「是正に着手した」と回答したそう。かねてより懸案となっていた長時間労働対策にいよいよ動き出す企業は多いようだ。

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しかし、人員・コストの観点から、すぐさま対策を講じられる中小企業が多いとは思えない。そこで、社員50人未満の企業に勤める20〜30代の男性会社員200人を対象に調査を行った(R25調べ/協力:アイリサーチ)。

〈現在勤めている会社から、長時間労働を是正する動きを感じる?〉

・感じる 26.0%(52人)
・感じない 74.0%(148人)

長時間労働抑制に対する企業の取り組みを、身をもって感じている人はわずか26.0%。やはり中小企業では現場レベルで実感できるほどの対策が講じられているケースは稀なよう。なお、「感じる」と回答した52人に特にどんな取り組みが行われているのかを聞いたところ、以下の結果となった。

■中小企業で行われる「長時間労働是正措置」

※全7項目から複数回答
1位 業務効率化を積極的に行うようになった 46.2%
2位 サービス残業をなくすような動きがある 34.6%
3位 ノー残業デーが設定されるようになった 21.2%
4位 残業の事前許可制が導入・徹底されるようになった 13.5%
5位 勤務時間が長くなると、アラートを出されるようになった 5.8%

半数近くが挙げたのは「業務効率化」、これに「サービス残業をなくす動き」「ノー残業デーの設定」が続く。意識改革によって変えられる部分のほか、制度の変更など強制力をもって是正しようとする企業も一部あるようだ。

ただ、最も気になるのは、このような取り組みによって、実際に是正されるのかどうか。形骸化してしまっては仕方ない。上記で「(是正の動きを)感じる」と回答した52人に改めて質問した。

〈今後、実際に長時間労働は是正・抑制されていくと思う?〉

・はい 58.0%
・いいえ 42.0%

■「はい」と回答した人の意見
「会社に定時以降に残っている度に上長から指摘を受けるようになった為」(27歳)
「国がその方針を示しているため」(35歳)
「会社の雰囲気がそうだから」(35歳)
「入退室管理されているため」(35歳)
「会社全体で 残業しないよう意識が高まってきた」(39歳)

■「いいえ」と回答した人の意見
「従業員数に対して仕事が多いから」(30歳)
「病院が終わらない限りしめられない」(33歳)
「昔ながらの体制はかわらない」(34歳)
「なんか不況なんで、むりっぽいかな」(37歳)
「結局なあなあになる」(39歳)

残念ながら、4割以上は会社が対策を打っているにもかかわらず、長時間労働の「是正・抑制はされない」と予測。理由は、“仕事が多い”“そう簡単に体制が変わるとは思えない”といった意見が多い。逆に、良い方向に動くと考える人は、対策の効果を実感していることが多いようだ。

今回は200人を対象とした小規模調査のため数字には誤差があり、中小企業全体を捉えているとはいえない部分もある。とはいえ、実際に対策が施されており、是正に前向きな雰囲気の企業はそこまで多くないことは間違いないところだろう。過労死など、悲しい結果が増えないためにも経営者のみなさんの英断を期待したい。

(千川 武)

(R25編集部)
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※当記事は2016年12月23日に掲載されたものであり、掲載内容はその時点の情報です。時間の経過と共に情報が変化していることもあります。
※コラムの内容は、R25から一部 抜粋したものです
※一部のコラムを除き、R25では図・表・写付きのコラムを掲載しております

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