ビジネス・経済

梅原大吾「“レベル1”でいい 裏切らない人を選ぶ」

2016.12.24R25

プロ格闘ゲーマーの梅原大吾氏。2D対戦型の“格ゲー”で多くの大会を制していることで世界的に有名で、現在「世界で最も長く賞金を稼いでいるプロゲーマー」など3つのギネス記録保持者である。ほかにも、ストリーミングサービス「Twitch」のグローバルアンバサダーに就任、レッドブル、ハイパーエックスとスポンサー契約を結ぶなど、グローバルに活躍を続けている。

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そんな梅原氏だが、社会派ブロガー・ちきりん氏との対談本『悩みどころと逃げどころ』(小学館)では、意外にも「人材育成」について語っている。世界的ゲーマーに、ビジネスマンが学ぶべきポイントはどんなところか、梅原氏にきいた。


●“強いパーティー”に必要なキャラは、「レベル1でも絶対抜けない人」

一般的には、仕事相手にはある程度の学歴や実績を求めたくなってしまうもの。しかし、梅原氏は「一見、救いようもない人と一緒に仕事をしている」という。なぜなのだろうか?

「自分の同僚であれ取引相手であれ、似たような能力の人ばかり集めても、『チーム』としては強くならないと思うんです。滞りなく仕事を処理する人はもちろん重要だけど、自由な発想ができる人や、空気を良くしてくれる人も必要。いわゆる優秀な人だけを集めても、仕方ないですよね。誰かに言われた仕事が少し遅かったり、できて当然のことができなかったりする、一般社会の常識からすると『一見、どうしようもない』といわれている人でも、意外と能力を発揮できる場もあるんですよ」

梅原氏が、一緒に働く人を選ぶうえで、最も大切にしていることは何なのだろうか。

「プロゲーマーとして有名になっていくと、世間的に優秀とされる人たちと仕事をすることが増えました。そこで感じたのが、『いわゆる優秀な人って世の中に結構いるので、自分にとっては、そんなに貴重な存在じゃないのでは?』ということ。RPGゲームにたとえると、重要なのはレベル50でいろんな特技が使えることではなくて、『レベル1でもいいから、価値観を共有できる人や、絶対にパーティーを抜けない信頼できる人』。そんな人と、一緒に成長していきたいと思うんです。

昔から『ゲームが強いから梅原と仲良くなりたい』と計算ありきで近づいてくる人が多かったので、自分を利用しようとする思惑に敏感なところもあって。とくに“自分と価値観が合う、心中してくれる”っていう人がいたら、長く一緒に冒険していきたいと思いますね」

●「どうしようもない後輩」を育てる意味は「投資」!?

ビジネスシーンにおいて「どうしようもない」人が、どのような場面で能力を発揮できるのか? と聞いてみると、こう語ってくれた。

「一例として、スタッフのA君はすごく繊細で気配りができますね。いつでも『あの人は、それを嫌がると思います』とアドバイスしてくれて、それがことごとく的中する。要領悪い生き方をしてきたからこそ、いろんな気遣いができるわけで、かなり助かってます」

さらに、学歴や実績だけで人を判断する、社会の風潮にも疑問を投げかける。

「社会が認めてくれる範囲ってすごく狭いと思っていて。学歴など、人生の前半の過ごし方だけで、あまりにも『チャンスの有無』が決まりすぎている気がするんです。僕の場合も、ゲームで世界一になったって、履歴書は白紙。昔は誰も僕のことなんか信じてくれなかった。そういう人ってたくさんいるはずなので、人生を諦めかけてた、かつての自分を助けるつもりで、信じてやりたいという気持ちもあります」

「後輩を指導するのに手間がかかりすぎてメリットがない…」と悩むビジネスマンのヒントにもなりそうだ。

「そういうことを言っていると『お人好し』って言われることもあるんですけど、自分にとって効率的な投資をしてるだけなんです。実績がなくても、自分が信じた人が成長すれば、絶対に助けになってくれる。そういう決断ができたということで、さらに自分も成長できる。世間の風潮に流されずに、あくまで自分を高めることだけを、日々考えています」
(森 祐介)

(R25編集部)
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※当記事は2016年12月23日に掲載されたものであり、掲載内容はその時点の情報です。時間の経過と共に情報が変化していることもあります。
※コラムの内容は、R25から一部 抜粋したものです
※一部のコラムを除き、R25では図・表・写付きのコラムを掲載しております

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